西欧白人の500年
欧米列強(スペイン・ポルトガル・オランダ・フランス・イギリス・・)は今から500年程前、アジア・アフリカ・米大陸への侵略を始めた。そしてそこに住んでいた先住民=有色人種を獣でも殺すかのように大虐殺し、文明を滅ぼし、植民地経営のために働き手が必要となれば黒人奴隷を大量に連れて行った。それは唯一の絶対神「キリスト」の名のもとに行われた蛮行である。
これは「キリスト教」をヘイトするものではない。事実を述べているだけだ。その証左として、2015年7月、ローマ・カトリック教会フランシスコ法王は南米の先住民団体を前にした演説で「神の名のもとに、先住民に対し沢山の深刻な罪が行われた。はっきりと言いたい、アメリカ大陸征服の際、先住民に対して行われた犯罪行為について謙虚に謝罪したい」と語った。ただ、当時の常識を現在の常識で測ることはナンセンスである。いまでは確かに「人種差別=悪」であるが、当時の世界にはそのような常識はなかった。特に白人には。
ただ当時、日本だけはそんな世界常識に異議を挟んだ。秀吉・徳川家の鎖国政策しかり、パリ講和会議における「人種差別撤廃提案」しかりである。そしてこのことを我々有色人種は心に留め置く必要がある。そしてその圧倒的支配を打ち破ったのは有色人種である「日本人」であることも・・・
日本の先達がみせた精神性の高さ及びその行動力に敬意を表するとともに、そのような日本人の子孫として生まれてきたことを誇りに思う。
このシリーズを書くことによって、世界の中での日本を正しく理解し、自国に誇りを持ち、希望に燃える子供達が増えてくれることを願う。
西欧白人の精神性
では、欧米列強が海洋進出に乗り出した500年前から今日に至るまで、何があったかをかいつまんで見てみよう。
【参考文献:清水馨八郎著「侵略の世界史~この500年、白人は世界で何をしてきたか~」祥伝社】
清水氏は500年の侵略史を述べる前に、いわゆる「狩猟」民族と「農耕」民族の精神性の違いについて述べている。その根本的違いは、住む土地の「風土」によってもたらされたものであると結論付ける。
西洋の主要都市は総じて緯度が高い。
ロンドン北緯51度、ベルリン53度。コペンハーゲン56度、花の都パリでさえ49度。翻って、西洋で憧れとされる太陽の輝く南欧、モナコ・ローマ・ナポリなどは北海道と同緯度に相当する。
日本の東京・大阪などと同じ緯度なのはカイロなど北アフリカ圏なのだ。ただしその地域は降雨量が少なく、乾燥した砂漠と灼熱の国々である。
この緯度の高さによって、氷河期は氷に覆われ、土壌は削られ、硬い岩盤がむき出しの地質が多く、また一部の肥沃な大地も日光不足によって作物の生育は制限される。日本などの温暖湿潤な地域に比べると収穫量が1/5~1/16というから驚きだ。
そのような環境に適応すべく、略奪を生存のための当然の権利とする考え方が生まれた。己の「生存」に重きを置く精神性だ。
そのため、旧約聖書にも次のような記述がある。「彼ら(イスラエル人)は、主がモーセに命じられたようにミデアン人と戦って、その男子をみな殺した。またイスラエル人はミデアンの女たちとその子供たちを捕虜にし、その家畜と羊の群れと財貨とをことごとく奪い取り、そのすまいのある町々とその部落とをことごとく火で焼いた。こうして彼らはすべて奪ったものを携えて戻ってきた・・・」(旧約聖書「民数記」第31章)
日本からは考えられない発想である。日本では農耕で人々を養えるだけの十分な収穫が得られ、不作であっても海や川へ行けば魚介類が豊富に捕れる。日本では「生活」に重きを置く精神性が醸成された。どうすれば皆が幸せに暮らせるかを、神話の世界の神々(八百万の神様)でさえ額を寄せ合い話し合っていたのだ。
欧米列強の世界侵略を考えるとき、その風土からくる民族性を知らなければ彼らの行動は理解できない。自分たちの生存を維持するために他民族・他宗教の者を殺しても良心の呵責など全くない。それどころか、それは神に祝福された正しい行いだと正当化される。
なんと、コロンブスの新大陸発見(西欧列強から見た史観。アメリカ先住民から見れば侵略)以降、世界は一億人以上の命を失うこととなる・・・
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