ミサイル攻撃
イラク現地時間8日午前1時20分、米軍基地に対するミサイル攻撃が始まったらしい。短距離弾道弾または巡航ミサイルとみられ、発射場所はイラン領内からだ。
攻撃は先日米軍の無人機によって殺害されたソレイマニ司令官の葬儀が終了した直後とのこと。完全に司令官殺害の報復攻撃だ。
報復には報復・・・
トランプはイランがソレイマニ司令官殺害に対する報復攻撃を示唆した際、報復には「倍返しだ!」と答えていた。半沢直樹か。
年末からの経緯
・(2019.12.30)米、イラク・シリア5カ所を空爆
・(2020.1.1)イラクの米大使館に群衆、空爆に抗議
・(2020.1.3)米、イランのソレイマニ司令官を殺害
・(2020.1.4)国連事務総長「世界は新たな湾岸戦争に対応する余裕はない」
・(2020.1.7)NATOが臨時会合、イランに自制要求
・(2020.1.8)イラン、米軍基地にミサイル攻撃
米軍の犠牲者はゼロ
・(2020.1.8)アメリカ、軍事攻撃は控える旨発表←いまここ
他国は?
英・仏・独は両国に自制を促し、China及びロシアはイラン支持だ。
ということは国連は機能しない。ま、そもそも国連などあって無きに等しいが・・・
アメリカの報復
アメリカの報復がどの程度の規模で行われるのか。かなりの規模で行われるだろう。しかし、イランを黙らせることはできないととうさんは考える・・・
1/9追記:トランプ氏は軍事的報復は行わないと発表した。経済制裁を強める方向でいくのだろう。
イランの攻撃も米軍兵士を殺さないよう計画して行われたようだ。司令官殺害の報復のため、何もやらない選択肢はなかったのだろう。
ソレイマニ司令官
彼のことを朝日新聞などは「部下思いの優しい人物」のような書き方をしたという。とんでもない誤報だ。彼はイラン国民の反政府デモを実力(軍事力)をもって排除した。1000~1500人虐殺されたとの報道もある。
彼は西欧諸国にテロリスト指定を受けていた。イラン以外に住むイスラム教シーア派の集団にテロの方法を指導していたのだ。
今回米軍の爆撃で死んだわけだが、その場所はイラクであった。イラクのほとんどはスンニ派のイスラム教徒だが、イランに近い南部にはシーア派もいる。そのシーア派にテロ指導を行っていたとみるべきだろう。
西欧諸国にとっては完全なる悪、テロリストだ。スンニ派のイスラム教徒にとっても同じだろう。イラン国民の中にも穏健なイスラム教徒も存在する。そんな人々はソレイマニ司令官の死を内心では喜んでいるらしい。
イスラム教
とうさん、ちょうど飯山陽氏の「イスラム教の論理」を読んでいたところ。イスラム教について非常にわかりやすく記述されている。
この本によると、イスラム教の考え方は我々自由民主主義国家の考えとは相いれるものではなさそう。イスラム教徒は神の教え(コーラン及びハディース)に従うことで来世での永遠の幸せを得ることを目的としている。
イスラム教を信じない者や攻撃を加えてくるような者に対しては聖戦(ジハード)を行うことが求められている。ジハードで殉教したものは最後の審判を待たずして神の御許に生き、永遠の幸せを得ることができるとされているそうだ。
だからいくら攻撃を加えられても怯むことはない。それどころか神に守られた民(イスラム教徒)に対し攻撃を加えてくるとすれば、それは神に相対すものであり制裁の対象となるのだ。彼らのジハード(自爆テロ等も含む)は永遠に終わらない、世界がイスラム教で統一されるまで・・・
この考えは自由を愛する我々には本当に理解不能だ・・・
トランプは分が悪い・・
この戦いはトランプさんにとって分が悪い。イスラム教の教義とイスラム教徒の考え方を理解しているとは思えない。
「倍返し」を行っても怯むような相手ではないのだ。むしろさらに「神の意志のもとに!」とテロ攻撃を激化させてくる可能性が高い。
追記:1/8の演説で、米軍は軍事行動を控えること、また「 自分の命を大切にすれば、わが国民の命を脅かすことはない 」とトランプ氏は述べた。
アメリカ人に対するテロを起こさないのであればアメリカはイランに攻め込むことはないとのメッセージだ。これがイスラム教徒に対する最善の譲歩方法かもしれない・・・
泥沼のアフガン
覇権国家とイスラム教国家との戦争は過去にもあった。アフガニスタン戦争だ。アフガンでは結局、ソ連もアメリカも撤退に追い込まれている。
なぜか。それはイスラム教国家がイスラム教徒の支持のもと成り立っている国家だからだ。イスラム教徒は殉教を最高の善として捉えている。
軍事力で制圧したかに見えても、いつどこで自爆テロを仕掛けてくるかわからないのだ。そんなところに長く駐留していれば兵士の精神は破壊されるだろう。
ロシア・Chinaの思惑
彼らはほくそ笑んでいる。アメリカが力を落とすことを願っているからだ。イランを表から裏から支えるつもりだろう・・・
まとめ
イスラム教国家は国家として成り立っているのであればほっとくことだ。彼らは彼らなりの正義がある。それは自由主義国家には理解不能なのだから。
ただ、自由主義国家に対する自爆テロなどは許しておくことはできない。それはしっかり取り締まる必要がある。落としどころはここだろう。トランプ氏もここを押さえているようだ。
イスラム国家にはイスラム教徒が自由主義国家で自爆テロを起こさないような対策を講じてもらうことが望ましい。難しいことではあるが・・・