とうさんお勧めの歴史書
以前も書いたが、もう一度。
それは渡部昇一著:「日本の歴史」全7巻セット WAC BUNKO だ。
※現在、楽天には7巻セットは無いようです・・・
渡部昇一氏は「国史」という観点から歴史を叙述した。それはオーウェン・バーフィールド氏の指摘する次の観念があったからだとおっしゃられている。
「雨上がりの空には無数の細かな水滴がある。そこで美しい虹を見るためには、適当な方向と距離が必要である。歴史上の事実も毎日起こる無数の事件だ。その事件の一つ一つを調べても、その国の“国史”といえる国民の共通表象は生じない。それは水滴をいくら調べても虹にならないのと同じことだ」渡部昇一著:増補決定版日本史 扶桑社 p.7より抜粋
渡部昇一氏は我々に日本の歴史に大きな虹を描くことを目的として「国史」を書かれた。
子供達に日本の素晴らしさを伝えるに、これほど最良なものはない。
是非中学生くらいになったら読んで欲しいものだ。
百田氏の「日本国紀」も同じ観点から書かれた名著だと思う。
歴史と国史
国史も歴史の中の一つだ。
歴史の中から、あるひとつの「王朝」の歴史を取り出しまとめたもの、それがその王朝の「国史」だ。国史にはその国の政治的つながりに焦点を当てた歴史の叙述という意味がある。
その点、日本は現有する最古の王朝である。しかも記紀(古事記・日本書紀)によれば日本は現在2679年続いている。
その歴史を「日本国史」と銘打っても反対するのは反日左翼のみであろう。
お国自慢
渡部昇一氏が若い頃ドイツ留学した際の話をみてみよう。
50年も前になるそうだが、ドイツではよく家庭に招かれることがあったそうである。そして若い渡部氏は日本のお国自慢をしたいと考えた。戦前であれば日露戦争でロシア艦隊を打ち破った連合艦隊の話でもできようものだが、大東亜戦争で敗北した後ではそれも出来ようもない・・・
以下、渡部昇一著:日本の歴史1神話の時代から(p.16-17引用)
ところがあるとき、こういうことがあった。
「きみの国では戦争中、天皇という方がいたけども、いま、どうしているのか」と聞く人がいたので、「戦前も戦中も戦後も、同じ方が天皇でいらっしゃいます」と答えたらその人が非常に驚いたのである。
私はそれにヒントを得て、こういうことを言った。
「トロイ戦争のときのギリシャ軍の総大将であったミケーネ王アガメムノンは、人間の世の時代の王ですが、アガメムノンの系図を辿ると、その祖父の祖父あたりがゼウスの神になります。もしもゼウスの血をひくアガメムノン直系の王家が現代もギリシャに続いているとすれば、それは神武天皇の直系である日本の天皇家と同じことになります」と。
すると、本当にびっくりするのである。
神話の時代から王家が続いている――これは文明国ではとっくに失われた現象で、ギリシャでも神話の時代は途絶えてしまっている。世界に類を見ない日本の歴史の特徴は、神話の時代に根を持つ王朝がいまも絶えることなく続いていることなのである」 ―― 引用おわり
日本ではこのように、神話の持つ意味が他国とは全く違うのだ。
ある左がかった方との会話
職場にちょっと左巻きの方がいる。飲みの席でたまに論争になる。
記紀を信じているのかと聞いてくるから、当然「信じてます」と答えると、
「日本書紀などは藤原不比等が編纂(改竄)したものだよ、天皇をしのぐ権力をもっていたのだから」だって。
なので日本の歴史1の13-14ページに書いてある次のことをあげて反論した
「藤原氏は中臣鎌足の子孫で、鎌足の祖先は天岩戸(あまのいわど)の前で祝詞(のりと)をあげた天児屋根命(あめのこやねのみこと)の子孫ですよね。天児屋根命は天孫降臨の際、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)につき従って地上に降りた神様と古事記に書いてありますよね」
「だからいくら権力を握っても天皇の地位を奪おうとしなかったのではないですか。記紀が天皇の正当性を認めるために書かれたものであることはそうかもしれません。しかしそれに連なる臣下のことも細かく挙げています。当時は自分の出自(祖先)を大切にするという文化は明確にありました。したがって、記紀に名前の出ている臣下が権力を簒奪することなどありえなかったと思います。天皇をしのぐ権力であるなら自らが正当性を持つ内容に改竄しなかったのはなぜでしょう」
とうさん、この方と議論するの好きである。自分にない考えを聞けるので。
日本にもっと誇りを持って欲しい!
我々の世代は日本は悪い国と教えられてきた。国家を歌う、いや、起立することすら拒否する教師が普通にいた時代だ。
若い世代には是非とも日本を好きになって欲しい。日本の歴史を学び、日本に誇りを持って欲しい。
そのためにも、 日本の歴史に大きな虹を描くことを目的として書かれた渡部昇一氏の「日本の歴史 全7巻」を強くお勧めする。
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