前回の復習
コロンブスはカリブ海に西インド諸島を発見する。先住民の側から見れば悪質な侵略だった!
コロンブス率いるスペイン軍は優しい人々の住む島々で何をやったのか。
前回をお読みでない方は【こちら】
キリスト教司祭とともに
【 清水馨八郎著「侵略の世界史」 p.79~80より引用】
司祭は兵士と一緒になって先住民の村落に現れ、先住民たちに向かって、キリスト教の信仰を受け容れるべしとスペイン語で書かれた公式の催告書を読み上げるのである。~~中略~~
インディアスはスペイン語が全然解らず、言っていることも書いてある催告書も何も解らないまま従わされた。かれらはイエスのことも、国王も法王のことも聞いたこともなかった。考える時間も与えられず、屈従するしかなかった。これを拒否すれば兵士に殺されることになった。
しかもこのお触れは「その拒否から結果する死と損失は、汝らの落ち度であることをここに言明する」といったひどいものであった。
こうして殺されなかったものも、鉱山労働者、農奴、荷役動物になることを強制されたのである・・・。
これが宗教による免罪の怖さだ。「唯一絶対神の予言を信じぬものに対しては、どのような罰を与えることも神はお許しになる。むしろそれこそ神に祝福される行いなのだ」と。
このようにして、スペインは侵略の手を「アステカ帝国」「インカ帝国」へと伸ばし、大虐殺を続けていく。
大虐殺
コロンブスと先住民族との遭遇以来、スペイン人の征服によって中南米の先住民が約1世紀の間にどれほど犠牲になったのか。実に3300万人である(この死者数には直接の虐殺だけでなく、ヨーロッパ人がもたらした伝染病による死亡者数も含む)。ではコロンブス以前は何人の先住民がいたのか。少なく見積もって4000万人、多く見積もると1億1000万人と言われている。1570年代にはこの地方の人口は1000万人に激減した、との報告もある。と、先住民は4000万人程度おり、3300万人が殺され、1000万人が残ったとするのが普通か。
それにしても3300万人・・・先住民族からすれば「白い禍」であったろう。
その時、日本は!
この通り、欧米白人種は大航海時代の初め、先住民族を大虐殺してきたのである。
この情報は1600年初頭までには日本にも伝わっていた。世界進出に出遅れたオランダが幕府に伝えていたのだ。だから徳川幕府は鎖国に舵を切った。情報を入れるため、オランダだけとは出島での交易を認めて。
なぜ、徳川幕府は鎖国できたのだろう。当時、他の有色人種はほとんどと言っていいほど西欧白人たちに食い物にされていた。しかし日本は鉄砲伝来以来、その改良を重ね、信長による長篠の戦いでは3000丁の火縄銃による集団戦法を生み出すほどに武力を高めていた。インディアスを嵌めたように、日本でもキリスト教を利用し、勢力を広め、頃合いを見てお触れを出そうと画策していた当時の宣教師たちは日本の武力に驚き、武力を以て征服することをあきらめたのだ。実際にマニラの総督にそのような旨の手紙を送っている。
西欧列強のキリスト教を利用した侵略、その魔の手から日本を守ったもの、それは強大な武力だった。武力があればこそ平和は守られることを証明している。実際、徳川幕府は260年もの太平の世を築いた。
現在の日本を縛り続ける日本国憲法を、すぐにでも変える必要があることは、この一事をみてもお分かりだろう。
続きは、こちら↓↓↓
日本に虹をかける!渡部昇一先生の歴史書はこちら↓↓↓