産経新聞の記事
『中国・韓国など途上国優遇停止も WTO改革加速を 米大統領が命令』
【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領は26日、中国などが世界貿易機関(WTO)に「発展途上国」と申告し、優遇措置を受けているのは不当だとして、WTOの制度改革を加速させるよう米通商代表部(USTR)に命令した。90日以内に制度見直しの進展がなければ、米国が一方的に対象国の優遇を取りやめるといい、改革に消極的な加盟国に圧力をかけた。
トランプ氏は同日、ツイッターで「もっとも裕福な国が途上国だと主張し、ルールを逃れて優遇されている。そんなことは終わりだ!」と述べた。
トランプ氏は大統領令でUSTRに指示した。大統領令は中国のほか韓国やメキシコ、シンガポールなどを名指しし、途上国との位置づけが不公正だと指摘。USTRが制度を改めさせるため「利用可能なすべての手段」を活用するよう指示している。
90日後となる10月下旬までに改革が進まない場合、USTRが不適切とみなす国の途上国扱いを取りやめる。優遇打ち切りなどを検討する可能性がある。
WTOの制度上、途上国と自己申告した国は、先進国から関税免除などの優遇を受けられるほか、貿易自由化の義務も免除される。全会一致を原則とするWTOで、米政府は見直しを提案しているが、中国が反対して議論が進んでおらず、トランプ政権は期限を区切って改革を促した格好だ。30日から再開する閣僚級貿易協議を前に中国に圧力をかける狙いもありそうだ。
( 7/27付,産経記事 )
こりゃビックリ!
支那が発展途上国扱いなのは知っていた。WTOでは数年前から問題になってたから。発展途上国といっても自己申告制で、しかもGDP世界2位の国が・・・。
だから発展途上国にもランク付けをしよう、という流れになっていたよう。
それをトランプ氏は「なまぬるい!発展途上国扱いなんてやめちまえ!!」と正論を吐いた(笑)
産経は中韓と表現したが・・・
トランプ氏のツイート原文では
「The WTO is BROKEN when the world’s RICHEST countries claim to be developing countries to avoid WTO rules and get special treatment. NO more!!!」
と書いてあるだけだ。「世界で最も金持ちの国々」と表現しているのであって名指しはしていない。ただ、GDP世界2位の支那は確実にRICHESTな国に含まれるだろう。
台湾との連携??
台湾は2018年10月に途上国優遇放棄をWTOに申し出ている。支那本国との差別化を図るためとみられる。その後押しをしたのがトランプ氏のツイートとみられている。
・・・えっっ、何言ってんの??って思った読者の皆様、正解。
トランプは2019年7月27日に先のツイートを発信したのだ。去年の10月の台湾離脱とトランプ氏のツイートが関連するはずないじゃん、って思いますよね。
ところが・・・トランプ氏は2108年4月にも同じような内容のツイートをしている。曰く「支那は経済大国なのに、WTOからは発展途上国とみられている」「不公平だ」と(日経新聞2018.10.16付記事)
同様のツイートを何度も・・・
この時期に2回目(何度目かは定かでないが、確実に2回以上)のツイートをしたのは、産経の記事にある通り、7/30から始まる閣僚級貿易協議を有利に進めるためだ。
記事ではWTOに対して働きかけを行うよう米通商代表部(USTR)に指示した、とある。30日から上海で支那商務省代表と交渉するのがまさにUSTRなのだ。
さすが商売人
トランプ氏、さすが不動産王だけのことはある。交渉に臨むにあたり、ギリギリにプレッシャーをかけてくるあたりはさすがだ。習近平もさぞかし難しい選択を迫られる。
まとめ
今回のツイートは米中戦争に発展!というより交渉を優位に進めるためのブラフの可能性が高い。
しかし、ますますトランプ氏から目が離せないな~~