北欧
フィンランドやスウェーデンなどは幸福度ランキングにて毎回上位に位置する。
子育ても幸せ一杯らしい・・・
離婚率ベスト5
2018年総務省発表「世界の統計」では、
第1位・・・ロシア (4.7)
第2位・・・デンマーク(3.0)
第3位・・・フィンランド・スウェーデン・アメリカ(共に2.5)
( )内は1000人当たりの離婚件数
米国の別データ
『現代の米国に生まれた子のうち、50-75%は婚外子や離婚などのため、10歳の時点で実父とは一緒に暮らしていない』
(学術会議叢書14(2009)「養育と乳幼児の発達」黒田公美、より引用)
日本は?
日本の離婚率は1000人あたり1.7人。欧米よりかなり少ない。
これをどう捉えるべきか・・・
夫婦喧嘩
子供にとって、親が喧嘩をする姿を見るのはかなり精神的に負担がかかるようだ。
とうさんも子供達の前で夫婦喧嘩をしてしまったことがある。
子供達が明らかに情緒不安定になるのを目の当たりにし、以来極力子供の前で夫婦喧嘩をしないように努めている。
脳が委縮する・・・
ちょっと前の話になるが、2017年12月のクローズアップ現代で「夫婦げんかで子どもの脳が危ない!?」という話題が取り上げられた。
福井大とハーバード大がアメリカで調査したらしい。それによると、夫婦喧嘩を見せられ続けた子供の脳には委縮が見られたというのである。
しかも暴力による喧嘩よりも暴言による喧嘩のほうが6倍も委縮すると・・・。
やはり子供の前で夫婦喧嘩はやらないほうがよいな。
離婚率から考えると・・・
先に示した通り、日本の離婚率は欧米に比べ「低い」。これは誇るべきことなのではないだろうか。
離婚が多いということは当然夫婦生活が破綻しており、夫婦喧嘩も絶えないだろう。子供の脳は大丈夫か・・・
日本は我慢しすぎ??
こういう観点で話をすると
「日本は同調圧力や世間体を気にしすぎるため、自分の意志を貫けず “我慢” を強いられているだけだ。何も誇るようなことではない」
「むしろ我慢をしながら送る夫婦生活のほうが衝突することが多く喧嘩が絶えないのでは?」
「きれいに離婚することが選択できる欧米のほうが進んでいる」
との声が聞えてきそうだ・・・
家族になるということ
他者が同じ屋根の下に住む。当然ぶつかることもあるだろう。どうやって解決するのか・・・
とうさんは大数学者 “岡潔”(おか きよし)先生の論を勧めたい。
—以下、岡潔著「春風夏雨」角川ソフィア文庫、より抜粋(p.48~50)
近頃の学生は男女共、とくに女性がそうなのだが、まるで合言葉のように「ファイトと忍耐とによって」という。~中略~こういう一対の男女が新家庭を持つとどういうことになるだろう。
「ファイトと忍耐とを持って」というのは、たとえば女性の場合どういう意味になるだろう。夫の理想に戦意を燃やして立ち向かい、その根強い抵抗を歯をくいしばってこらえて、自分の理想とする家庭を作り上げようとするだろう。
~中略~ 北米合衆国人(アメリカ人)は、良い家庭を作ることにかけては、世界でもよほど下手な方だが、何だかそれとよく似たことをしているように見える。~中略~
よい家庭が作りたければ、それこそ「ファイトと忍耐とによって」自我本能を抑止し合わなければならない。これを続けていると、二人を隔てている自他の別がだんだんとれていく。~中略~そうなればこの二人は、人の世に夜ごとの憩いの場所も嵐の日の避難の場所もできたことになる。だいたい私は、恋愛の大義名分は自己犠牲であって、自己主張ではないと思っている。
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岡潔先生
1901年生まれ、京都帝国大卒。フランス留学を経て、帰国後、広島文理科大学、北大、奈良女子大で教鞭をとる。後年、多変数解析函数論の分野における超難題「三大問題」を解決した。1978年没。
岡先生の思想についてはまた別の機会に触れることにしよう。
1970年
先の本、初版は昭和45年だ。とうさんが1歳のときだな。
当時の学生にも個人主義が蔓延していた状況と、それを非常に問題視されている心境が読み取れる。
現在はさらに状況が悪化しているのではないか・・・
凡人
とうさんは凡人だ。だから自我本能(欲)をなかなか抑止できない・・・
それは教育によるものも多分に影響しているのだろう。
戦後の教育は戦前の反省から、「国家」よりも「個々」を、個の権利をこそ主張するような教育が施されてきたように思う。
現在も「個性を伸ばす」ことを教育の柱にしている。
真我
岡先生は、自我本能(欲情や衝動、本能)を抑止しながら「生きる」のが人であり、自我本能を非常によく抑止した結果、それでもなお残るのが「真我」(本当の自己、情緒の中心)であると説く。
この境地にまで達するには非常に深い洞察と実践が必要であろう。とうさんはそこまでは到達できそうにない。だから真我への到達は我が子ふたりに託す。
バガボンド
この「自我本能」を非常によく表したと思われる漫画がある。バガボンドだ。
バガボンドとは剣豪、宮本武蔵の生涯を現した漫画。
たけぞう(若いころの武蔵)が剣に迷う時の描写が秀逸だ。顔にデカデカと
「俺」
と書いている。俺が俺が・・・。自我本能そのままである。
むしろ自我が肥大化し、コントロール不能な状態だ。
他人(ひと)が先
若い頃は誰しもが経験することだろう、「俺が俺が・・・」
とうさんもそうだった。
だからとうさんは岡先生が祖父から厳しくしつけられたという
「自分を後にし、他人を先にせよ」
という言葉をふたりの子供たちに常々言い聞かせている。
「人が先、我は後」と。
良き日本の伝統
日本は「和」を大切にしてきた文化がある。
これにもっと誇りをもって良いのではないか。
欧米など戦いの連続で古代からの文化など途切れてしまっている。
そして対立と闘争が産んだ文化が個人主義である。
そんなものありがたがってどうするのだ。
日本は日本の価値観を大切にすれば良い。
そしてそれをこそ世界に発信して欲しいものだ。
子育ても日本風に
現在、日本で子育てが行いにくいといわれている理由。それは欧米崇拝にあるのではないか。欧米的個人主義を教育にも取り入れすぎ、道を見失っている。
江戸時代、日本の子育ては両親だけでなく地域社会全体で行っていた。
明治期には地域から、じいちゃんばあちゃん達を含む家族で。
そして戦後は核家族化が進み、母親一人で子育てを行う世の中になってしまった。
もう一度地域社会全体での子育てに戻すことはなかなかに難しい。
だが、子育てを母親一人で担うには荷が重すぎる。
だから今は母親どうしの「横」のつながりを重視し、育児ネットワークなどの支え合いが機能し始めている。ここはもっと進めて欲しい。
「子育てしやすい日本」と言えるように
それには、もっと父親の育児参加があってしかるべきだ。
家庭で子育てをしながら学ぶことは多い。
子供を如何に育てるかを真剣に考えれば考えるほど、自分がどう生きねばならないかが問われているような気がする。
子供の手本となる生き方を親が示す。それだけで日本はかなり良くなるのではないか。
「子育てしやすい日本」と声を大にして言えるよう、父親の育児参加を勧めたい!