ドットチャートとは?
ドットチャートとはサムネにもあるような「点をプロット」したチャートのこと。FRBの理事達が今後の政策金利水準をどこまで引き上げ(引き下げ)たいと思っているのかを全員に聞き取り、表にまとめたものだ。
どうやって調べるの??
アメリカのFRBが作成している公式HPに行くとみれる。
英語が得意じゃない方はこちらをクリック⇒【ドットチャート】
または、グーグル検索で『 fomcprojtabl20220615.pdf 』と検索するとPDFサイトが表示されるので一番上の表示をクリックして飛んでもらえばいい。これは2022.6.14~15に行われたFOMCでのドットチャート。なので、次回9月20~21に行われるFOMCのドットチャートは『 fomcprojtabl20220921.pdf 』と入れれば出るはず。ちなみに現在はまだ行われていないので表示されません・・・。9/21の27:00(22日の午前3時)以降じゃないとみれない。
PDFに飛ぶと次のような画面になる。
6月の場合は4ページ目に行くとドットチャートが見れる。こんな感じだ。
何を示しているのか?
ドットチャートではFOMCの各理事が今後の政策金利水準をどのようにすべきと考えているかが示されている。???なんのこと???って感じかな。前回の記事でFed Watchについて書いたよね。その記事の中で「ターミナルレート」って言葉が出てきたと思う。ドットチャートはその中央値が理事達が考える「ターミナルレート」となるってこと。「ターミナルレート」とは最終到達政策金利とでも訳すかな?前回の記事を読んでない方はこちら⇒【後編】Fed Watchを活用しよう!
実際のチャートで説明する!
これは今年6月に行われたFOMCでのドットチャート。これによると来年、2023年のターミナルレートは3.5~3.75%(青下線②)だ。そして2024年には少し利下げが行われ、3.25~3.50%の金利水準になる(青下線③)と考えていることがわかる。
今から考えるとかなり甘い読みだったね、理事のみなさん。現在Fed Watchでみると4.25~4.50%を織り込んできている。
6月の時点で超タカ派と思われてた一人だけが正解に近かったのかもね(笑)FRBの理事も予想はなかなか難しいってこと!
次回FOMCは??
次回FOMCで注目なのは2023年のターミナルレートを理事達がどう考えているか。先ほど見たように市場は4.25~4.50%を織り込みに来ている。と、理事達の考えるターミナルレートが、もし赤下線①のように4.00~4.25%だったら完全にドル安株高に振れる!!
では、赤下線②の4.25~4.50%、つまり市場と同一だとしたらどうだろう。セル(バイ)・ザ・ファクトが濃厚だ。つまり織り込み済みだったから、事実が出てこれ以上警戒する必要がなくなり、ドルストレートは上、ドル円は下に動くだろう。ただ、赤下線①の場合ほどは動かないか。
最後、赤下線③の場合はどうだろう。ターミナルレートが4.50~4.75とでた場合だ。ここまでの数値を織り込んでないとすれば、さらなるドル高株安になるだろう。
不安定要素
相場の値動きはこんなに単純ではない。パウエル議長が何を話すか、も重要となる。例えばQT(量的引き締め)についての言及(スピードを早めるとか)があればサプライズでドル高株安に振れるだろう。また、直近のFed Watchの数値も確認しておかねばならない。このシナリオはあくまでも「現時点」でのもの。当然指標などの影響でもう少し動いている可能性もある。
このように、ファンダを知るとテクニカルだけでは見えてこない「値動きの大本」を知ることができる。テクニカルを考えるのも楽しいが、ファンダを知り、様々な情報からシナリオを構築できるようになると相場がもっと楽しくなる。
みんなでファンダメンタルを一緒に学んでいこう!!